乾燥肌はクレンジングでさらに肌に負担をかけてしまうことがあります。しっかり汚れやメイクを落とすことは肌環境を整えるために大切なポイントですが、なんでもやりすぎは危険。
乾燥しやすい季節になると、肌タイプに関係なくクレンジングの刺激は抑えたいところですよね。そこで今回は、乾燥肌に適切なクレンジングのステップやコツについて詳しくご解説していきましょう。
クレンジングが肌に与える負担
メイクオフの際に必ず使う「クレンジング」には色々な種類があり、ダブル洗顔が不要なタイプも手軽で人気があります。濃いアイメイクもサッとひと拭きで落とせるほどのクレンジングもありますが、肌には色々な負担がかかっています。
クレンジングの必要性
そもそもなぜクレンジングが必要なのか、その理由は洗顔石けんだけでは落とせない汚れがあるためです。スキンケアのルールでもよくいわれるのは「落とすケアが一番大事」ということ。
汚れが残ったままの肌はコンディションを乱し、長期的なトラブルの原因にもなります。クレンジング剤には色々な種類があるものの、共通するのは肌にのせたメイクや毛穴に詰まる皮脂や汚れ、角栓などの「油性」の汚れをとる点。
一般的な洗顔料は、ホコリや汗などの水性の汚れに対応しているので、顔に残る汚れには2タイプあることをまずは理解しておきましょう。もしクレンジングをせずに洗顔だけで済ませた場合、分泌された皮脂やファンデーションの汚れが残り、肌の上で酸化してしまいます。
すると毛穴の黒ずみになり、汚れの上にさらにメイクを重ねるとくすみやニキビ、さらに肌を硬化させる原因に。汚れた肌にメイクをしてもメイクのりが悪くなることは想定できますよね。
クレンジングをやめるためにはメイクをしないこと。もしくは洗顔料で落とせるファンデーションを使うなど、クレンジングなしの生活は不可能ではありません。
摩擦が乾燥を招く
クレンジングが肌に与える負担は「摩擦」がまず考えられます。乾燥肌のクレンジングは特に注意したい部分で、肌の上でスルスルと指が滑るようなテクスチャーでも、無意識のうちにゴシゴシと力を入れていることがあります。
とくにメイクが濃くなる目の周辺。皮膚が薄く乾燥しやすい部分なので、摩擦は避けたいところです。たっぷりクレンジング剤を使わない人、過剰なマッサージ時間などは摩擦により肌のバリア機能が低下し、結果的に肌の潤いが維持できない状態になってしまいます。
シャワーやお湯の温度が原因
お風呂でクレンジングできる簡単な商品も増えており、メイクオフの手間が楽になってきました。しかしこのようなクレンジングを乾燥肌が使う場合に注意したいのは、シャワーで顔に直接お湯を当ててしまうことです。
シャワーの圧力は肌を摩擦しているのと同じ。一見マッサージ効果があるように感じますが、強すぎるシャワーよりも手ですくって洗い流すほうが安心です。その際に意識したいのは「ぬるま湯」を使うこと。
熱いお湯だと肌に刺激を与え、必要な皮脂まで洗い流してしまいますので、乾燥肌は温度に敏感になりましょう。お湯の負担がかかった肌をタオルでゴシゴシ擦るとさらに肌環境は乱れて、小じわなどの原因になってしまいます。
界面活性剤の負担
乾燥肌のクレンジングで注意したいのは、配合成分の「界面活性剤」です。ほとんどのクレンジング剤に含まれる成分で、役割は水と油を混ぜてファンデーションなどの油性のメイク汚れを浮かし、水で流せるようにすること。
全ての界面活性剤が肌に負担を与えるわけではなく、メイクオフには欠かせない成分です。注意したいのは「石油系合成界面活性剤」で、とても洗浄力が高く乾燥肌や敏感肌だと肌荒れの原因になり、さらに肌の乾燥を招くリスクがあります。
他にも注意したいのは「炭化水素油系オイル成分」。通称ミネラルオイルと呼ばれるものは、クレンジング剤の製造コストを安くするために使用することが多く、プチプラコスメでもお馴染みです。
この成分は脱脂力がとても強いので、乾燥肌は避けたほうがよいでしょう。同じくエステル系オイルも乾燥を助長する可能性がありますので、敏感肌用などを選ぶと安心ですね。
クレンジング剤の選び方のポイント
乾燥肌のクレンジングは、肌に合った低刺激のものを使うことがおすすめです。肌タイプごとに色々な商品がありますが、購入する際は次のポイントを意識してみましょう。健康な肌の人もなるべく刺激の少ないクレンジングをすることをおすすめします。
クレンジング剤のタイプについて
クレンジングはオイルジェルなど、色々な種類がありますが、乾燥肌なら「クリーム」「ミルクタイプ」がおすすめです。クレンジングは主に「オイル・リキッド・ジェル・クリーム・ミルク・シートタイプ」の6種類に分けられており、それぞれの特徴を理解して使うことが大切です。
乾燥肌におすすめのクリームは、摩擦を抑えてマッサージできることや保湿性が高いことも魅力。ミルクは乳液のようにサラッと伸びるテクスチャーで乾燥肌に馴染みやすいことや、乾燥を防ぎながらメイクオフができるのでおすすめです。
どちらも洗い上りはしっとり。肌のツッパリも避けられるでしょう。ジェルやオイルは洗浄力が強いものの、肌に負担がかかる配合成分もありますので、できれば避けたほうが安心。シートタイプは肌を強く摩擦するので、乾燥肌には向いていません。
保湿成分が入っているものがおすすめ
クレンジング剤には、洗浄作用だけでなく保湿成分を配合しているタイプもあります。乾燥肌の人は、必要以上に皮脂を洗い落とさないよう保湿成分を意識して選びましょう。セラミドやコラーゲンなどの良質な美容成分が入っているクレンジングなどがおすすめです。
ダブル洗顔不要タイプを使う
乾燥肌のクレンジングは、できるだけ刺激を抑えることが必要なので、摩擦回数が減る「ダブル洗顔不要タイプ」のクレンジングや洗顔料にすることもおすすめです。
二度の洗浄を一度に減らすことは、乾燥肌にとってとても有利で時短にもなります。しかしメリットばかりでなく、一度の洗浄なので余計に力を入れてマッサージしてしまうことや、汚れが残ってしまうデメリットにも注意が必要です。
クレンジングの手順について
乾燥肌の人は、低刺激のクレンジングを使うことが理想的です。さらに適切な次のステップでメイクオフしましょう。
専用リムーバーを使う
ポイントメイクは、先に専用リムーバーで落としておくことでクレンジングによる肌全体の負担を減らすことができます。アイラインやマスカラ、口紅などの濃いポイントメイクに適したリムーバーがありますので、なるべく刺激の少ないもので最初に落としておきましょう。
少し時間を置いてからマッサージ
クレンジング剤を肌に塗布したら、少し時間を置いてメイクを浮かせましょう。そのほうが汚れ落ちはよくなるだけでなく、スルスルと指が動き過剰な摩擦を避けられます。濃い部分はメイクとクレンジング剤を馴染ませておくと落としやすくなります。
薬指と中指を使う
薬指と中指は力が入りにくいため、クレンジングで過剰な圧をかけないように二本の指の腹を使って優しくマッサージしましょう。指先だけだと力が入りやすいので、第二関節まで使う意識がよいでしょう。
ぬるま湯で洗い流した後は、清潔なタオルで顔を押さえるように拭き取ってくださいね。
まとめ
乾燥肌のクレンジングは、肌の健康状態を左右する大切なケアです。魅力的なコスメがたくさんありますので、使い方を守り自分の肌環境にあるものを選んで自信のある肌を導きましょう。